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その他 サンバーTV1 タイミングベルト

2006 TV1 SUBARU SAMBER VAN

94,000km

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エンジンの調子が著しく悪くなったので、なんとか自宅近くのスーパー駐車場に引き返したというお客様。

翌朝、エンジン再始動を試みるが一瞬かかったのち異音とともに停止。

以後、全くエンジンがかからなくなったという症状。

入庫後エンジン始動を試みると、スターターモーターの周りがやけに軽い。

「あ〜、タイミングベルトかも」

ということで早速サービスホールから点検すると、

ベルトが回っていない。

残念ながらタイミングベルトが切れたみたいです。

通常「ベルトが切れた」と表現しますが、

多くの場合は切断されているわけではなく、

この写真のように

スクリーンショット 2016-08-09 13.56.09

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ギアにかかる部分の山が劣化によりクランクプーリーギアによってこそぎ落とされている状態です。

写真中の矢印「山飛び開始」と「山飛び終了」をご覧いただければわかると思いますが、

こそぎ取られてしまったにもかかわらずしばらくカムシャフトは回転を続けたと考えられます。

このエンジンはピストンにリセス加工されていないので、

バルブとピストンの干渉は全気筒とも避けられないと推測できます。

シリンダーヘッドを降ろしてピストンを点検すると

スクリーンショット 2016-08-09 13.40.53

やはり全気筒、全バルブがピストンと干渉していました。

一瞬始動した時の異音は

ピストンの上下運動に合わせたバルブの開閉運動の同期が取れなくなり

ピストンとバルブがぶつかり合った時に出た音だと思われます。

案の定バルブは首を振ってあっちこっち向いてしまっています。

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部品が揃うまでの間に汚れや、貼りついたガスケット、

ピストンに付着したカーボンなどの汚れを取り除きます。

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ヘッドも綺麗に洗浄し

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バルブを擦り合わせ

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組み込んで

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バルブクリアランスを調整します。

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調整ができたらヘッドカバーをつけて完了です。

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エンジン音も軽やかに好調さを取り戻しました。

  • 2016.08.18
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