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ブログ バッテリー

自動車用のバッテリーは地味な存在であるが実に重要な役割を担っています。

人間の臓器に例えると肝臓と脂肪かな…..

エンジンをかけたいときに一番多くの電力が必要になります。

昔はこんな風にしてエンジンをかけていました。

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この力を電力でまかなうのです。

エンジンがかかってしまえば発電機が機能するので大きなバッテリーは必要ありません。

というのは過去の話になりました。

現在では燃料消費率向上のため発電機さえも機能させないように制御しているのです。

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発電機から電力が得られなければ、いきなり重要になるのはバッテリーです。

これまでは始動時以外はお荷物的な存在だったのが

急激になくてはならない存在になったのです。

脳にブドウ糖が必要なときに肝臓が機能して糖を生産するように、

自動車の脳にあたる各種ECU駆動のためにバッテリーから電力が供給されます。

人間もお腹が空くとご飯を食べます。

食べられる量も時間も限られています。

お腹いっぱいになれば、もう食べられませんし、

四六時中食べ続けられるわけでもありません。

自動車のバッテリーも同じです。

お腹いっぱいに充電されていれば、もう電力をそれ以上蓄えることはできません。

逆に電気をいっぱい使ってお腹が空いた状態になっていてもエンジンを止められてしまうと

もうそれ以上充電できません。

充電制御車というのは

・運転者が加速を必要としているとき

・電池の状態が良好で充電を必要としないとき

などには発電機を機能させないようにして、

その発電機が機能していたならば必要だったエネルギーを節約するという方法です。

ということは、

・ブレーキを踏んでいるとき

・アクセルを緩くしか踏んでいないとき

などしか発電しないということです。

発電する時間が短いということは電気を貯める時間が短いということです。

その短い時間でこれまでのようにバッテリーを充電しなければならないということは

人間に例えると、

早食いができてなおかつ食いだめができる人

ということになります。

周りに何人かはいそうですが、ほとんどが困難そうです。

充電制御車のせいでバッテリーには

・早食いができる

・食いだめができる

性能が求められるようになりました。

これに加えて近年はエンジンを止めて燃料の消費を抑える手法が定着してきました。

日本の交通事情には大変有効な方法ですが、

一方でスターターモーターとバッテリーには非常に厳しい状況です。

今までは出発地から目的地までの間でスターターモーターは一回しか使わなかったのに

アイドリングストップ車の場合は条件を満たせば信号待ちごとにスターターモーターを使います。

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目的地までに信号待ちが10回あったとするとその負担は10倍です

バッテリー寿命はこれまで4−5年程度です。

負担が10倍になったからといって寿命が半年程度になることはユーザーが許してくれませんから、

スターターモーターの耐久性向上とバッテリー寿命維持には

テストが繰り返されたことと思います。

しかし、市場に出回ってまだ時間の浅いこの技術はこれからが本当の試練です。

 充放電の速度が速いキャパシタを組み込んだバッテリーも現れました。

ユーザーの皆さんは今バッテリーが過酷な状況にあることをご理解ください。

そしてバッテリー上がりの不具合が生じたときは、

どうかこれまでの苦労をねぎらってあげてください。

そして交換の際には価格ではなく必要な機能を満たす

適切なバッテリーを間違いなく選択してください。

  • 2015.05.29
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