ブログ オイル交換・平均時速から最適の時期を割り出す。
という観点から考えてみました。
今回は、よりお客様自身の使用実態に則した方法で
最適のオイル交換時期を割り出してみましょう。
ただしこの方法は車にトリップコンピューターが
装備されている場合のみ利用できます。
最近の乗用車はエコ意識を運転者に植え付けるために標準装備されていることが多いので
メーター周りのボタンをあちこち押してみて平均速度が表示されないか調べてみてください。
この写真はプリウスのメーターです。
右下の数値が平均時速です。
こちらはAudi A4のメーターに表示された平均時速です。
この数値をもとに実際に交換すべき目安となる距離を考えてみましょう。
メーカーはシビアコンディション以外での使用を想定してオイル交換を義務付けています。
シビアコンディション以外の使用状況を推測すると
・信号のない国道を走り続ける
・高速道路を走り続ける
というような状況が想定できます。
おそらく以前にカタログ燃費数値のもとになっていた
60km/h定地走行
40才代以上の方なら記憶にあると思います。
ということは、メーカーが想定している平均的な使われ方の速度は
60km/h
だと推測できます。
これは日本の場合です。欧州車の場合はもしかしたら
100km/h
を想定しているかもしれません。
それはさておき実際の計算してみましょう。
メーカーが用意してくれている
メンテナンスノートに記載されている情報を見てみましょう。
こちらはプリウス
交換時期はそれぞれ
標準交換時間:15,000kmまたは1年
シビアコンディション:7,500kmまたは6か月
となっています。
今度はAudiです。
シビアコンディションについての記載はなく
15,000kmまたは1年
と、なっています。
車種 |
指定交換距離 |
平均車速 |
メーカー想定平均車速 |
交換すべき距離 |
プリウス | 15,000km | 24km/h | 60km/h | 6,000km/h |
Audi | 15,000km | 21km/h | 60km/h | 5,250km/h |
計算式は
指定交換距離(平均車速/メーカー想定平均車速)=交換すべき距離
としています。
これには理由があります。
エンジン交換のサイクルを距離で定めることが多いのですが、
これはユーザーに対してわかりやすくするためです。
発電機や重機などは距離ではなく使用した時間ごとに定められています。
こちらの方が合理的ですね、
エンジンオイルなどの劣化は距離よりも
・エンジンがどれだけの時間かかっていたか?
ということに、より依存して比例します。
もっと言えば
・エンジンがどれだけの回数を回転したか?
ということに尽きます。
この数値に負荷率が加味されれば完璧だと思います。
現在の技術ではこの方式での交換時期警告を
運転者に通知することは可能ですが
運転者が戸惑うのでやらないのでしょう。
と、説明が長くなりました。
ごめんなさい。
交換推奨距離15,000kmを平均時速で割るとエンジンの運転時間がでます。
先のプリウスとアウディの例から運転時間を出してみましょう。
車 種 |
指定交換距離 | メーカー想定平均速度 | メーカー想定エンジン運転時間 | ユーザー平均速度 | ユーザーエンジン運転時間 |
プリウス |
15,000km | 60km/h | 250時間 | 24km/h | 625時間 |
Audi | 15,000km | 60km/h | 250時間 | 21km/h | 714時間 |
この時間差を見ていただければ容易にご理解いただけると思います。
エンジンオイルの交換要件は距離軸ではなく時間軸で考えると合理的ですね。
- 2015.05.08
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