ブログ タイヤ空気圧
タイヤは命を運んでいる。
と、どこかのタイヤメーカーが宣伝していたが、確かにその通りだと思う。
走行中、特に時速100km/hを超えるような速度でタイヤがパンクすると恐ろしい事態が予想される。
・ハンドルがガタガタ震えて操縦が効きにくくなったり、
・破裂音とともに車が全く操縦不能に陥ることもある。
このような速度域でパンクする場合の現象として多いのは
「バースト(破裂)」である。
この現象はタイヤの補強材であるスチールベルトが破断することによって発生します。
タイヤはゴムだけで出来ているわけではありません。
一般的な乗用車の重量はおよそ1.5トン。1,500kgです。
これに人間や降ろされることのない荷物が加わると1.7トンぐらいの重量です。
この重量を4輪のタイヤで支えます。1輪当たりの受け持ちは300kgから500kgです。
タイヤには常にこの重量が加わっています。
空気圧が低いまま走行すると、
接地面積が増大し地面から抵抗を多く受けることになります。
これが高速走行で連続して影響を受け続けるとスチールベルトが
金属疲労により破断しゴムだけでは空気の圧力に耐えられなくなり一気に破裂します。
多くの場合この金属疲労で破断する直前に、
スタンディングウェーブ現象によりハンドルや車体が激しく揺れると思います。
この時点で気が付いて適切な処置をすれば大事故には至らないことが多いです。
この現象を見逃したり、軽視したり、また、不運なことに突然破断する場合は
タイヤがバーストして、大事故を引き起こす可能性があります。
脅かすわけではありませんが、今朝もこのような事例の事故が発生しましたので、
ご覧の皆様がこんな事にならないように思い、
タイヤの空気圧について書いてみることにしました。
自動車に装着されているタイヤはそれぞれサイズが違います。
サイズは大体こんなふうに書いてあります。
195/65R15 91H
・195はタイヤの幅
・65はタイヤの幅に対しての割合つまり65%を表しています。
この割合が小さいほど扁平タイヤと呼ばれるタイヤになります。
・Rはラジアル構造を表します。
・15はホイールのサイズ、つまり15インチを表します。
・91はロードインデックス。
このタイヤで支えられる重量の見出し番号です。91=615kg
・Hはこのタイヤで保証された安全速度域を表します。H=180km/h
この中で着目して欲しいのはロードインデックスです。
91=615kgですが、これは空気圧が240kpaの時の耐荷重です。
140kpaでは450kgの荷重にしか耐えられません。
73%に能力は低下しています。
この状態で走行させるとタイヤの構造材に負担がかかり、
金属疲労をおこしても不思議ではありません。
さて、空気が減っても気がつかないのが普通です。
毎日チョビチョビ減るもんですから気がつかなくても当然なんです。
だからこそ定期的な空気圧調整が必要です。
↑これは一般的な乗用車のタイヤですが空気圧が規定圧の半分に減っています。
ちなみに下の写真はメーカー指定の空気圧に調整したものです。
一方↓こちらは上記のタイヤからホイールサイズを2インチアップしたサイズのタイヤです。
↑は標準空気圧の半分に圧力が低下した状態。
↑はメーカー指定空気圧に調整した状態。
この状態を見ると一般的なタイヤだと空気が減っているのが何となく分りますが、
ホイールサイズを大きくして低扁平タイヤを装着した場合は圧力が半分に低下しても、
外観からはほとんど判別出来ません。
タイヤがぺちゃんこになっていないと空気が減っていないと錯覚してしまうのでしょうね。
空気圧の調整は簡単に出来ます。
メーカー指定の空気圧に調整するだけです。
その指定空気圧は多くの場合運転席ドアを開けたところのピラーパネルに貼ってあります。
しかし、このラベルの通り調整するだけでは不十分な場合があります。
たとえば
・大人数で高速走行をする場合、
・荷物をたくさん積んだ場合
・タイヤのサイズを変更している場合
などです。
日本タイヤ工業会(JATMA)では160km/hを超えて走行する場合は
10km/h増す毎に10kpa空気圧を増やすようにしています。
つまり180km/hで走行する可能性のある車は30kpa増やすのです。
人や荷物をたくさん載せる場合にも空気圧を増やす必要があります。
こちらはBMWのタイヤ指定空気圧ですがケースにより細かく指定されています。
荷重の移動量によっても考慮する必要があります。
前輪の外側などは、カーブ走行時にものすごく大きな負担がかかります。
タイヤの外側が真ん中よりも多く摩耗が進んでいる場合は空気圧不足が考えられます。
日本のメーカーが指定している空気圧は
ドイツなどのメーカーとは違い、
自動車が止まっている状態の荷重でしか計算しておらず、
動的な荷重負荷に対しては無視されています。
タイヤの寿命や乗り心地、操縦安定性、安全性、
これらをすべて総合的に考慮した結果、メーカー指定空気圧より
フロント 40kpaから60kpa
リア 20kpaから40kpa
ぐらい余分に入れると、良好な結果が得られます。
たった1分で安心・安全・快適な走行が得られる空気圧調整。
すぐにやりましょうね!!
あ、燃費にもとてもよく貢献しますよ!
(2008/10/1に掲載したmixi日記の内容を添削して転記しています。時間の経過が7年間あったので実態にそぐわない内容もあるかと思いますがご了承ください。)
- 2015.05.20
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