ブログ 燃費について…3
ハイブリッド編
どうしてヨーロッパでディーゼルシフトが急速に行われたのでしょうか?
二酸化炭素削減目標に届かないと判断した西欧諸国が
政治主導でディーゼル車に税制優遇をしたからです。
ところでハイブリッド車というのが日本では市民権を得ました。
ヨーロッパが技術確立に失敗し日本でもトヨタだけが
本当の意味で技術確立し市場で成功しているものです。
この技術があるからこそ日本はディーゼルシフトしなかったのです。
と、決めつけるように書きましたが、私がそう思っているだけです。
ですが、こう書くからには自分なりの展望もあります。
ディーゼルにシフトしたところで多少の二酸化炭素を削減できるだけです。
石油に依存している事には変わりがありません。
バイオ燃料が人気ですが、地球規模での食料事情が悪くなるだけです。
バイオ燃料を生産するにも二酸化炭素を発生させます。
日本のエネルギー海外依存度に変わりはありません。
将来は電気自動車が必要なのです。
ディーゼルもハイブリッドも単に過渡的な技術に過ぎません。
が、しかし、ハイブリッドの技術は電気自動車の時代が来た時に生かす事が出来るのです。
これから先の大きな成果を目指して、市場で相手にされなかったハイブリッド技術を研究し
市民が買える値段で市場に投入できるようにした事は素晴らしい。
ちなみにハイブリッドとは雑種・混血という意味です。
内燃機関エンジンと電気モーターの雑種です。
ハイブリッドエンジンが搭載された代表的な車
トヨタ・プリウスは1997年に発売されました。
ハイブリッドはエンジンと電気モーターの組み合わせですが
その組み合わせ方によって効率も違いますので呼び名を分けています。
エンジンで発電だけして、その電気を使い電気モーターを動かす。
↑これをシリーズ式と言います。
エンジンで発生した動力は発電にも車輪の駆動も行う。
↑これをパラレル式と言います。
エンジンの動力を発電にも車輪の駆動にも使うがその使い道を自在に調整できる。
↑これをスプリット式と言います。
このスプリット式こそがプリウスに搭載されているもので
他のどこのシステムよりも燃料消費・運転性能に関して優位に立っています。
プリウスの動力源はガソリンエンジンと電気モーター。
エンジンはヴィッツを始め小型車に搭載されている最も生産数の多いエンジンです。
1500ccの普通のエンジンです。
(今のプリウスは1800ccです)
これをカローラより一回り大きいサイズのボディー
(コロナプレミオ・ウィッシュ・ストリームぐらいのサイズの大きさ)
に搭載します。当然力不足です。
その力不足を解消するのが電気モーターです。
これにより2000cc(以上)エンジン並みの動力性能は確保しています。
数値では比較しにくいですが実際にはそれ以上の体感です。
さて、なんでハイブリッド車が燃費が良いのかを説明しないといけませんね。
ガソリンエンジンの熱効率は元々ディーゼルエンジンより良くはありません。
なのにプリウスはガソリンエンジンです。
それにもかかわらずディーゼルエンジンより燃費が良いです。
トータルシステムでの熱効率が良いという事です。
実際このエンジンを搭載している同等クラスの重さ・広さの車(アリオン)と比較すると
アリオン 18.0km/L
プリウス 35.5km/L
ほぼ倍です。197%です。
ディーゼルとは比較になりません。
ディーゼルはいいところ120%ぐらいです。
エンジンのエネルギーが一番無駄に使用されているのは
停車時(アイドリング時)・発進時・急加速時・減速時です。
この時の動力に電気モーターを使えばエネルギーロスを4分の1程度に減らす事が出来ます。
だから発進時はモーターだけを使って発進します。
速度が上がると自動的にエンジンがかかり
車輪の駆動とモーターの駆動の為に発電します。
余った動力があれば充電に回します。
で、賢いのは止まる時です。
この車はブレーキを踏んでもすぐに摩擦材を使って車輪を止めたりしません。
ブレーキペダルが踏まれた事を感知すると即座に発電機を作動させます。
発電する時には大きな磁力が働きますからその電磁力がブレーキになるのです。
自転車についてるダイナモ式の電気ライトを点灯のためタイヤにつけると、
急にペダルをこぐのが重くなるのを想像してみて下さい。
あの力がもっと強烈に働きます。
そして発電力を超えるブレーキ力が必要な時になると
ようやく摩擦材を使って車を止めに入ります。
車の運動エネルギーを電気エネルギーに変化しているのです。
このようにエネルギーを回収して次回の発進時に電気エネルギーとして
生(活用)かす事から回生ブレーキと呼んでいます。
そして電池に充電しておいた電気エネルギーを効率よく取り出す
インバータ技術によりモーターに要求される電力が過不足無く直ちに供給されます。
この車を開発するのには多くの技術者がかかわったことと思います。
発電機を兼ねた効率の良い電気モーター
エンジンとモーターをつなぐモータージェネレーター
発電した電気が無駄にならないようにする充電技術
効率よく電気を蓄える電池
電池に蓄えた電気を再びモーターで使う為のインバーター技術
物体慣性エネルギーを回生するブレーキ発電システム
時がくればハイブリッドも電気自動車にシフトされます。
その少し前にはディーゼルエンジンとのハイブリッドの時代はあるかもしれません。
水面下で開発は進められている事でしょう。
(2008/4/19に掲載したmixi日記の内容を添削して転記しています。時間の経過が7年間あったので実態にそぐわない内容もあるかと思いますがご了承ください。)
- 2015.04.22
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