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修理事例 AMG 6.3 CLS W219 Valve Lifter

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いつもご利用いただいているお客様のご紹介で遠くからいらしてくださったお客様です。

車検ということでいらしてくださったのですが、複数のトラブルを抱えているようです。

エンジン始動点検では「カチカチカチ」といういわゆるタペット音が異常に大きく、

なにやら不穏な行方を暗示しているようです。

大きな問題点は三つです。

・運転席パワーウィンドウ動作不良

・エアコン作動時異音

・エンジン運転時異音

以上3点だけでもかなりの費用が生じますが、ご了解を頂きましたので作業にかかります。

まずはパワーウィンドウの点検

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内張とモーターを取り外すと、レギュレーターのコントロールワイヤが切断して巻取り部に絡まっています。

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レギュレーターを取り外すとすっぱり切断されていました。

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窓ガラス摺動部の抵抗が増大し過大な抵抗がかかったために切断したと思われます。

窓ガラス周辺を、特にサッシ部を清掃することである程度このトラブルは未然に防止できます。

新品と取り替えてこのトラブルは解決です。

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次はエアコン作動時の異音です。

これは間違いなくブロアーモーターの異音と判断し分解点検です。

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交換で問題解消です。

次に一番大きな問題のエンジン異音です。

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どうやら右バンクから音が聞こえてきます。

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お客様の意向でなるべく出費は抑えたいということですので、

一縷(いちる)の望みをかけてエンジンフラッシング後オイル添加剤という処方を採用。

それで異音が解消しなければ分解点検という流れとなりました。

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採用したのはWAKO’S QUICK REFRESHです。

流体ポリマーダイラタントが油圧バルブリフターの隙間を埋めて作動不良を起こしているはずの

油圧バルブリフターを正常に作動させてくれると期待しての投入でしたが、

気持ちの上で「少し音が小さくなったかも!?」というぐらいの効果しかありません。

おそらく原因部分以外のメカノイズが減少したのでしょう。

こうなったら分解点検しか原因を確認する方法はありません。

ヘッドカバーを取り外して点検すると驚きの事実が!!

3番シリンダーインテークカムシャフトの先端部が磨耗しています。

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右手前が正常なカム先端部。左奥が磨耗してしまった先端部。

一体相手型のバルブリフターはどうなってるんだ??

それを確認するためにはカムシャフトを取り外さなければなりません。

この時点で部品の納期と価格を確認してお客様に作業継続の指示もいただきました。

AMGの部品なのでいくらするのかドキドキしていたんですが、

意外に安い。良心的なのか?よく壊れるから安く設定しているのかはわかりません。

で、カムシャフトを取り外すとこんな惨状が待ち受けていました。

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カムが磨耗しているのですから当然の結果なんですが、

なんだか理不尽な思いが残ります。

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どうやらこのリフターは消耗品のようですね。

隣のバルブリフターもかなり磨耗しています。

カムシャフトを取り外したインテーク側のリフターは全部交換します。

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新品(上側)と比べると問題を起こした場所以外も磨耗しているのがよくわかります。

リフターを取り付けて

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カムシャフトを取り付けて

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元どおりに組み付ければ完了です。

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あれほど大きかった異音は正直なものですっかり解消しました。

AMG V8サウンドが甦りました。

エキゾースト側と左バンクは全く交換していないので、

メカノイズは少し大きめです。

これからのオイル管理が大切ですね。

そして最後にATフルードの交換。

劣化したままのフルードは低音低圧でも泡立ち動力伝達能力を十分に発揮できません。

新車時から一度の交換もしていない車両はフルードだけ交換すると大変危険です。

新しいフルードに交換するとこれまでに堆積している内部の汚れを一気に洗い流し、

フィルターを詰まらせてしまうことがありからです。

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オイルパンには汚れが溜まり、鉄粉除去用の磁石も相当量効果を発揮しています。

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ストレーナ(左が新品)もフィルター部がかなり詰まっているのが確認できます。

こうなっているとフィルターが詰まり十分なフルードを吸い上げることができずに油圧が低下し、

様々な不具合を起こす可能性が高くなります。

このストレーナーを新品に交換することでそのようなトラブルも未然に防ぐことができます。

  • 2015.09.02
  • 修理事例