Maintenance & Export

修理事例 サクシードオイルデポジット

平成19年登録

トヨタ サクシードワゴン

型式 CBA-NCP58G

原動機 1NZ

走行距離 390,000km

トヨタサクシードに搭載されている1NZエンジンは強靭で驚くべき耐久性を持っている。

乗用車用の1NZエンジンとは明らかに違う作りだと思わなければ説明がつかないぐらいです。

ヴィッツ・ファンカーゴ・シエンタなんてしばらくオイル交換をせずにいると、

すぐにオイル消費が始まり、タイミングチェーンが延びてVVTが適切に作動しなくなってしまうのに

このサクシードは過去に何度も数万キロもの間エンジンオイルを交換せずに

その都度、エンジンフラッシングや堆積物融解剤などのオイル添加剤でことなきを得てきた。

かねてよりこのサクシードのオーナー様は月まで行きたい。

(地球と月との距離はおよそ38万キロメートルだそうです。)

と、おっしゃっていた。

希望がおっきい割にはメンテナンスを軽視しがちなオーナー様で、

これまでに何度もオイル交換の重要性を説明し、

定期的なオイル交換を習慣づけるよう促してきましたが、

「喉元過ぎれば熱さ忘るる」

の、言葉の如く、次にいらっしゃるのは、

数千キロ、一万キロ、数万キロ、

とだんだんスパンが長くなるといったことが続いてきました。

今回の入庫は前回、当店でオイル交換を実施してから

およそ地球を一周。

4万キロを走行してからのご来店でした。

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こんなランプが点灯しました。

こんなランプが点灯しないように今まで何度も説明してきたのに、

私の説明は全く意味がないじゃないですか!

で、内部を見てみると予想通りの状態に……….

大量のオイルデポジットよりストレーナーが完全に目詰まりし、

周囲にも鍾乳石が盛り上がるかの如く油の焦げた堆積物がびっしりです。

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一生懸命洗浄してここまできました。

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こんなことになってもエンジンに異音を発生させないこのエンジンはすごいな。

オーナー様。

くれぐれも地球に帰還なんてことを言い出さないでくださいね。

そして一ヶ月後、およそ4,000km走行後、

念のためオイルストレーナーを目視点検のため再入庫しました。

オイルパンを外して点検すると、

予想通りに粗い粒状のデポジットがオイルパン底に、

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一部がオイルストレーナーに吸い込まれていました。

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念のためオイルストレーナを交換して、

今回の経過観察は終了。

次回からは分解なしで、デポジット融解剤を併用しながらの

オイル管理をすることとしました。

  • 2015.08.26
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