ハイブリッド車 富山からNHW20プリウス ABS警告灯 ハイブリッドシステム異常
平成15年 NHW20 プリウス
411,550km
前日にお問い合わせをいただき、
その日のうちに臨時運行許可証を手配なさり、
本日未明に出発され9時半過ぎに8時間かけてお出で下さりました。
遠路はるばるお疲れ様です。
お客様のご要望はHV駆動用バッテリー(リビルト)交換です。
車検を受けようとしたらABSの警告灯が点灯しているので合格しなかったそうです。
お客様のご要望はHVバッテリーなんですが、
地元のディーラー様で故障診断を受けてバッテリーを交換すれば
ABS警告灯も消灯すると説明を受けたようです。
作業の前にデータを点検すると
大量の異常コードが検出されました。
ガス欠したそうなのでこれは問題になりません。
上記写真のP0A0Fの533と534はともにガス欠ですから問題になりません。
P3000-123を調べてみるとHVバッテリーからの異常信号が入力された場合に記録されるようです。
電池ブロック9に異常が発生したみたいですが、
フリーズフレームデータを確認しても、
9番ブロックのデータを拾った時点では電圧は回復していたようで、
特に問題になる数値は確認できません。
この現象は電力仕様時にエラーを検出し、
充電動作または電力をあまり使用しない状態で数値を記録したと思われます。
実際記録時点では6Aしか流れていません。
距離を勘案すると電池パックの劣化(容量低下)が原因でしょう。
こちらの異常コードはHVバッテリー交換で解消すると思いますが、
まだ他にも出ています。
こちらの2点が非常に気になります。
HVバッテリーシステム異常点灯時に
ABS等の警告灯が点灯することは多々あります。
この場合は回生ブレーキが正常に作動していないために起こっている場合が常なのですが、
今回のようなエラーコードは初めてでした。
お客様にはHVバッテリーを交換しても、
バッテリー不具合との因果関係が薄いこと(無いことは無い)から
ABS警告灯は消灯しない可能性があることをお伝えして交換作業に移りました。
リアフロアーをめくるとところどころが湿っておりサビも散見されます。
バッテリー底部から2cmぐらいには細かい砂つぶが侵入しており、
浸水した後が確認できます。
お客様に確認するとやはり水没車を購入されたとのことでした。
バッテリーECUもABSのECUも浸水した可能性があります。
バッテリーを交換しても起動ができないので浸水を疑い、
ECUを交換するとあっさり正常に起動しました。
HVバッテリーシステムは異常がなくなりました。
ところが、ABS警告灯は点灯したままです。
リニア弁オフセット学習を何度繰り返してもすぐに
こちらの2つの異常が検出されてしまいます。
アクチュエーター故障だと思われます。
このままだと車検受けができないのでお客様に
1.元に戻す
2.電車で帰る
3.この場で中古車に乗り換える
等のご提案をしましたが、
思い入れのある車なので、
不完全な修理のままでも乗って帰りたい、
とのご希望です。
お客様のご要望通りに進めた作業ですが、
問題が残った状態でお返しすることとなったのが心苦しい一件です。
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- 2017.07.27
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