ブログ 水野式三輪車!
祖父(私の母方の)は自動車の製作者でした。
祖父は小さな頃から探究心が旺盛で少年時代には竹で手回しの扇風機を作って
家族に涼を送っていたと聞いています。
ドイツに渡り自動車の仕組みを研究したり、
当時のBMWのバイクを持ち帰ったりして研究していたと、
おばあちゃんが話してくれたのをよく覚えています。
そんなおじいちゃんが1937年(昭和12年)、
今から78年前に製作販売していた三輪トラックが
トヨタ博物館に展示されているという情報を得たので見学に行ってきました。
おじいちゃんの三輪トラックはレストアされて、
新館の農業用機械のコーナーに展示されていました。
現在でもこのスタイルの農業用運搬車はよく利用されていて、
この辺りではよく見かけます。
エンジンは前輪の左側に水平配置されており単気筒750ccです。
エンジン始動には自転車用のペダルが取り付けられていました。
エンジンの上部に変速機が取り付けられており、
ここから直接前輪を駆動しています。
そうです!、この三輪トラックはFFです。
そして車輪の反対側には燃料タンク、
その下にラジエーターが配置されています。
円筒に放熱用フィンが配置され表面積も大きいため
冷却効果は十分に確保されていそうですね。
過酷な運搬を想定していたのでしょうね。
この時代に水冷式エンジンとはえらくハイコストで複雑な構造ですね。
運転席はリーフスプリング付きのサドルが配置されていて、
悪路も想定していたのでしょうね。
ハンドル周りの配置デザインはヨーロッパから取り入れた雰囲気が醸し出されています。
おそらくBMWのオートバイを参考にしたのでしょうね。
荷箱もタイヤも過酷な運搬に耐えるように堅牢に設計されていました。
もし、トヨタ博物館においでの折には、
ぜひ、おじいちゃんの三輪トラックをご覧くださいませ。
- 2015.08.18
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