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修理事例 軽トラ トランスミッション不良

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平成12年 U61T 三菱 ミニキャブ トラック

お客様の訴えは5速に入らないということです。
試乗して症状を確認すると、確かに5速に入りません。
5速に入らないばかりか、シンクロがダメになった時のような大きな「ガー」という回転部品の激しく接触する音がします。シフトレバーも押し戻されるようにニュートラルに弾き返されてきます。

5速のシンクロがおかしいと目星をつけてトランスミッションを取り外し、分解して点検してみると5速のシンクロを固定するためにメインシャフトに嵌めてあるeリングが折れて脱落していました。これではスラストベアリングが固定されずシンクロナイズド機構も作動できず5速に入らないのは当然ですね。

eリングの折損だけで他にダメージがないことからこのeリングを新品と交換して修理完了としました。

交換後の試運転では問題なく5速にシフトでき、異音もなく良好な作動状況が確認できました。

原因を考察すると、この軽トラックの使用状況が見えて来ます。
定積載量350kgのところ700kgを超える過積載を繰り返したため、タイヤ方向からの入力が過大な状態が持続し、

このeリングに設計以上の負担を長時間強いることになったため、eリングが部分的に磨耗しガタが発生、ガタにより攻撃力が増し折損したと推察されます。

重い症状の割に簡単に修理が完了して良かったです。

くれぐれも過積載にはリスクが伴うことをご理解ください。

ブレーキ力の低下、操舵・旋回能力の低下、走行安定性の低下は人命を危険にさらすこともあります。

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  • 2015.03.27
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