その他 1989 Porsche 911 エンジン不始動
1989 Porsche 911 SpeedSter
非常に美しい状態を維持しています。
エンジン不始動ということで入庫しました。
お客様はバッテリーが原因でエンジンが始動できないと考えておられたようで、
もうすでにご自宅で十分に充電器で補充電されていましたので
元気よくクランキングができました。
クランキングは元気なのですが、
初爆もまったくありません。
点火系統を点検すると火花は飛んでいるようです。
燃料を点検すると、フューエルデリバリーパイプまでは燃圧がかかっています。
インジェクター点検すると、
インジェクターには電源電圧が印加されています。
どうやらコンピューターが正常動作していません。
回路図を点検すると、
インジェクターはコンピューターでの接地による動作のようです。
この動作にはクランクポジションセンサーからの入力が関連しているようなので、
センサーを点検すると
写真のように絶縁被覆が劣化によりヒビ割れしています。
どうやらここに問題がありそうです。
取り外した段階で、被覆が簡単に崩れ落ちてしまいました。
これではまともな作動は望めません。
早速交換すると、エンジンはかかりました。
が、しかし、なんか調子が悪いです。
聴診器を用いてインジェクタの作動を確認すると、
3番シリンダーのインジェクターだけ作動音が聞こえません。
コンピューター側の問題かインジェクターの問題かを切り分けるために、
インジェクタの代わりに発光ダイオードを接続して信号を確認すると、
回転周期に応じて発光ダイオードが点滅しました。
インジェクター不良と判断したので
インジェクターを交換すると
エンジンは快調となりました。
エンジンがかからなかった原因はクランクポジションセンサー不良でしたが、
エンジン不調となるインジェクター不良も同時に発見できてよかったです。
奈良、生駒、四條畷、ポルシェ、修理
- 2018.09.18
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