輸入事例 Audi e-tron欧州仕様
自動車の本場ドイツaudi社が本気で開発したe-tron。
電気自動車最大の欠点
「航続距離の短さ」と「エネルギー補給にかかる時間」
を実用レベルに持ってきたとされる量産車。
95kwhのバッテリー容量により2.5トンのSUV車体を走行させ、
その航続距離は300kmを超えます。
本当に300km走れば、ここ大阪から東京までは途中で一回充電すれば良いことになります。
中間地点の浜松あたりで充電時間を利用して昼食に「うな重を」食べるとしましょう。
日本規格のCHAdeMOの最大充電能力は50kwh
大阪から浜松まで走ったe-tronは残り電力20%をきっていると思われるので、
必要電力は95-19=76kwh
東京に到達するためには満充電にしなければなりません。
計算上は45分ぐらいで満充電になります。
ところが高速道路上のCHAdeMO充電器は30分経過すると
自動的に充電がするものがほとんどです。
ということは、
まずトイレに行って手洗いを済ませ、
うな重を注文して、ようやく料理が届き食べ始めたばかりで、
携帯に「充電完了のおしらせ」が届くことになる。
しかし、この時点では電力不足で充電は完了しておらず
CHAdeMO充電ケーブルを再接続して2度目の充電を開始しなければならない。
しかも80%を越えるとフルパワーでの充電ができないため、
結局さらに30分かかることになる。
ということで日本ではCHAdeMOの規格ゆえに本来の性能は享受できない。
したがって日本に置ける実用性は現在のところ???です。
しかし、欧州やアメリカでは別の規格CCSというのがあります。
上↑欧州車受電部CCS2.0
下↓米国仕様受電部CCS1.0
こちらはCHAdeMOの7倍に及ぶ電力供給規格です。
欧米であれば150kwhの受電能力のあるe-tronの性能が活かされます。
CHAdeMOの充電器で充電する場合に比べて計算上では3分の1、
およそ20分満充電までは30分ぐらいで可能かもしれません。
これなら「うな重を」食べている間にエネルギー補給ができて東京まで行けるかもしれません。
もう一つの難点、家庭での充電。
普段使いでは自宅に戻ってからの充電です。
もしも95kwhが全て使い果たされた状態からの充電だとすると
日本の家庭では2.4kwhしか供給出来ないので
95÷2.4=39.5
なんと39.5時間かかることになります。
実際には普段使いでは1日あたり100km未満なので、
一晩で回復できるでしょうけど….
日本では色々と電気自動車が普及しづらいハードルがありますね。
欧州だとこのようなケーブルで充電します。
こちらは400Vの3相での充電が可能なため、
家庭でも11KWで充電できます。
これなら一晩で空っぽからでも満充電になりますね。
欧米メーカーがどんなに本気を出しても、
日本の市場では充電設備が準備できないので普及は難しいですね。
さて、余談が長くなりましたが、こちらは空輸にて日本に到着いたしました。
- 2019.04.19
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